【1月17日
時事通信社】悪名を誇ったメキシコの麻薬王グスマン受刑者が6カ月の逃走の末、8日に拘束された。ペニャニエト大統領は「任務完了」と喜び、麻薬流入に苦
しむ米国からも歓迎の声が上がった。ただ、麻薬組織の活動は今度も続くとみられ、一件落着とはいきそうにない。

 グスマン受刑者が最高幹部を務めるメキシコ最大組織シナロア・カルテルは、米国で流通する麻薬の約25%を扱い、年間30億ドル(3500億円)の利益を上げているほか、欧州やアジアにも販路を持つ。政府や治安当局要人に賄賂をばらまき、取り締まりを逃れてきた。

 貧困家庭に育ち「麻薬王」に上り詰めたグスマン受刑者は、拠点のシナロア州を中心に影響力を強めた。治安当局の支配力が及ばない無法地帯に秩序と雇用を与え、大統領より権限を持つともささやかれた。地域住民の間で同受刑者をたたえる歌が歌われるほどの人気があるという。

 グスマン受刑者が昨年7月、厳重警備の刑務所から脱獄に成功したのは「刑務所職員の協力があった可能性が高い」(地元メディア)。何らかの方法で外部と連絡を取り合い、収監中も組織は活発に活動していたとみられる。(c)時事通信社